フリーラジカル説(酸化障害説)

 1956年にハーマンによって提唱された説。
 エネルギー代謝の副産物として主にミトコンドリアで産生された フリーラジカル(電子の数が奇数の高酸化性分子)が、DNAやタンパク質、脂質などを酸化することが老化の原因であるとする説 DNAの場合には突然変異を、タンパク質の場合には細胞機能の低下を起し、脂質の場合には膜の透過性の変化を起させるものと考えられている。
 哺乳動物では 、フリーラジカル説を支持する証拠はまだ十分には得られていませんが、線虫などの下等な動物では、フリーラジカルの産生量と寿命との間には逆の相関が見られることや、フリーラジカルを消去する酵素の機能と寿命との間には正の相関が見られることなどから、フリーラジカルと寿命の間には、何らかの関係があることは間違いない。
 フリーラジカル説は、フリーラジカルが引き起こす結果を考えると、エラー説や消耗説のさらに上流の部分においては、フリーラジカルの影響が考えられる。
以前は、フリーラジカルの標的として専らDNAが間がえられていたが、近年、タンパク質の酸化修飾が注目を集めるようになってきている(タンパク質も錆びる)。