クロック1遺伝子

(図6:ミトコンドリア)


 活動の速度がどのように寿命を決めるのでしょうか?クロック1遺伝子の研究からそのヒントが得られてきました。活動に必要なエネルギーは細胞の中にあるミトコンドリアという工場で酸素を使って作られます。クロック1はこの速度を調節します。クロック1遺伝子に変化があるとこの速度が遅くなります。

(図7:8-OHdG)


 漏れ出てきた活性酸素が遺伝子DNAを攻撃すると、塩基配列AGCTの中の特にGのグアニンに酸素がついてしまう。Gの対になる相手は本当はCですが、酸素がついたGはTに似ているため Cの代わりにAがついてしまう。これは大変なことで、遺伝子の情報が乱れてしまうわけです。このような活性酸素による遺伝子DNAなどへの傷の蓄積が老化を速めてしまうと考えられています。

(図8:活動と寿命1)


 クロック1遺伝子の変化でエネルギー生産が遅くなり、活動速度が低下する一方、活性酸素の漏れる速度もゆっくりになると考えられます。活性酸素の漏れが遅くなるため、老化が遅くなり、寿命が延びた、すなわち、太く短くから細く長く生きるようになったとものと考えられます。

 第2、第3の寿命に影響を与える遺伝子のグループは、この遺伝子と異なって、太く長く生きる仕組みに関するものです。


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